鵞口瘡(がこうそう)

『鵞口瘡とは?』
赤ちゃんの口の中に、カンジダ菌というカビが増殖し、舌の表面や歯ぐき、頬の内側などに白い乳かすのようなものが点、若しくはまだら上につく病気で、痛みやかゆみはありません。
カンジダ菌は口内や皮膚に常在するカビで、栄養の摂取が十分でなかったり、風邪などで体が弱っているときなどに増殖しやすいです。
また、おかあさんの乳首が不潔だったり、不衛生なガーゼで口の中を拭いたりしても感染する可能性があります。
放っておいても自然に治る病気ですが、食欲がなく元気がない、だんだんと広がってきたなどの症状があれば、受診することをお勧めします。
1~2週間で治る病気ですが、再発しやすいので注意しましょう。

タグ

上皮真珠(じょうひしんじゅ)

『上皮真珠』
赤ちゃんの歯ぐきに白い真珠のような、やや硬いポチポチが現れる病気で、痛みやかゆみはありません。
赤ちゃんはまだ歯が生えていませんが、あごの中で乳歯が徐々につくられており、その乳歯が作られたときに残った組織が、表面上に現れたものです。
乳歯が生える頃、自然に消えてなくなります。
とくに治療の必要はなく、自然に取れることもありますが、小さくて害もないため、万一飲み込んでも問題はありません。
それよりも、無理にとろうとするのは、歯ぐきを傷つけて炎症を起こす原因となるのでやめましょう。

タグ

あせも

『あせもとは?』
頭、額、首の周り、手足のくびれ、わきの下、背中、おしりなど、汗のたまりやすい部分に赤や白の小さなブツブツができてかゆがります。
これは汗腺の出口が汗やほこり、あかなどでふさがり、汗が皮膚の中で炎症を起こしたものです。
赤ちゃんは新陳代謝が激しいため汗をかきやすく、手足の関節が密着しているためあせもができやすいのです。
たまにかゆみから皮膚をかきこわし、黄色ブドウ球菌が感染して化膿すると、痛みがあり、発熱を伴う”あせものより”と呼ばれるおできができます。
症状が悪化するとリンパ節が腫上がることも。
治療は、切開して膿を出し、抗菌薬入りの軟膏を塗ります。
あせもの数が多い、範囲が広い、なかなか治らない、ひどく痒がる場合などは診察を受けて。
『あせも対策』
暑い季節には汗をかかないように適温のエアコンや通気性のいい衣類を選ぶなどして、なるべく涼しい環境を整えてあげましょう。
こまめにシャワーや着替えを行うことも大切です。
暑いからといって裸に近い格好をさせるよりも、薄手で通気性・吸水性のいい面100%素材のものを着せたほうが汗を発散・吸収するのでお勧めです。
入浴時、あせもはガーゼでこすらず、石鹸を使ってママの手でやさしく洗います。なかなか治らないときは受診しましょう。かきこわして悪化させないようつめ切りも忘れずに。
夏はエアコンに頼りすぎるのはよくありませんが、あせもが出ているときは上手に活用するといいでしょう。
また、冬になると厚着をさせてしまったり、暖房の効かせすぎで汗をかいてあせもになるケースも多いので注意が必要です。
暖房が効いた部屋ではなるべく薄着を心がけましょう。

タグ

おむつかぶれ

『おむつかぶれとは?』
おむつをあてている部分が炎症を起こして真っ赤にただれてしまうのがおむつかぶれ。
とくに、うんちがやわらかく、おしっこの回数が多い低年齢月の赤ちゃんや、おむつの中がむれやすい夏に多い皮膚トラブルです。
長時間おむつをしたままにしておくと、むれてふやけた皮膚がおむつで傷つきかぶれ易くなります。
さらに、おしっこやうんちでおむつが汚れると、うんちの細菌が尿の中の尿素を分解してアンモニアを発生させ、これが皮膚を刺激して炎症を起こします。
お尻を拭くときの物理的刺激やおむつがこすれる刺激が原因となることもあります。
とくに下痢のときは、うんちがおむつの中で広がるのでかぶれやすくなります。
最初はおむつがあたっている部分が赤くなるだけですが、ひどくなると赤いブツブツができ、重症になると、水疱ができて皮膚がむけジュクジュクしてきます。
『おむつかぶれの対策』
おむつかぶれの原因となるおしっこやうんちが、肌に触れている時間をなるべく短くすることが大切です。
おむつをこまめに替えて、お尻を清潔に保つよう心がけましょう。
おむつ替えのときは、すぐに新しいおむつをつけず、やさしく風を当てたり、乾いたガーゼで押さえて湿り気を吸い取るのもいいでしょう。
布おむつやおむつカバーは、肌への刺激が少ない柔らかい素材で、通気性のいいものを選びましょう。
下痢のときは座浴やシャワーでよく洗い流し、より清潔にすることが大切です。
『治療方法と注意』
病院では、炎症を抑えるステロイド薬を含まない「アンダーム軟膏」などが処方されます。
病状がひどいときには、弱いステロイド薬入り軟膏が出されることもあります。
しかし、なかなかおむつかぶれが治らない場合は、カビの一種であるカンジダ菌が原因である可能性も考えられます。
この場合はステロイド薬入り軟膏を使うと悪化するので注意が必要です。自己判断で市販薬を使ったりせずに、受診しましょう。

タグ

とびひ

『とびひとは?』
顔や体に水疱ができて、飛び火のようにあちこちに移っていくことから伝染性膿痂疹を俗にとびひと呼んでいます。
湿疹、あせも、すり傷、虫刺されなどをかきこわした傷口に、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が感染して起こる病気です。
黄色ブドウ球菌は鼻の穴に常に存在するので、鼻のまわりの引っかき傷がもとで広がることもあります。
連鎖球菌による場合は水疱が次第に膿をもってきて黄色い膿疱になります。
大きいものは小さい鶏卵くらいになりますが、水疱の大きさはさまざまです。
水疱は強いかゆみがあるのが特徴です。
また、水疱の膜が薄いので衣服でこすれたり、つめで引っかいたりするとすぐに破れます。
水疱の中には感染力の強い毒素が含まれた液が入っているので、水疱が破れてなかの液が飛び散ると、ほかの部位にもあっという間に広がっていきます。
水疱が破れたあとは赤くただれてかさぶたになりますが、しばらくすると乾いてきれいに取れていきます。
『治療方法と注意』
伝染性が強いので入浴やプール、おなじタオルの使用は避けるようにしましょう。
とびひのような水ぶくれを見つけたら、ほかの子にうつらない様に患部をガーゼで覆って小児科か皮膚科に受診します。
治療は患部を消毒して水疱の中身を出した後、抗菌薬入りの軟膏を塗り、ガーゼで保護します。
ひどいかゆみを伴う場合は、抗ヒスタミン薬などが処方されることもあります。
水疱のあとが乾いてきれいになるまでは入浴をやめ、シャワーにします。プールもやめましょう。
タオルは家族とは別にします。
いつも皮膚を清潔にし、つめも短く清潔にしておくことが予防になります。
もし、虫刺されや湿疹が出来た場合は、かきむしったりしないよう注意しましょう。

タグ

じんましん

『じんましんとは?』
境界線ははっきりした赤い、ときには白い皮膚の盛り上がりが突然現れます。
大きさもさまざまで、虫刺され程度のものから手のひらくらいのものまであり、盛り上がった部位がくっついて広がることもあります。
全身どこにでもでき、かゆみが強いのが特徴です。
1歳前の乳児よりも、2~3歳児に良く見られます。
食べ物、薬、細菌・ウイルス感染、虫刺されなどによるアレルギーの一種と考えられますが、原因の特定は難しいとされています。
普段は問題がないのに、体調を崩しているときに特定のものを食べると発症することも。
食後30~1時間で症状が出たときは、食事内容に原因があると考えられます。
ほかに、ストレスによるものや急激な温度差による寒冷じんましん、日光に当てるとできる日光じんましんなどもあります。
これらの症状は通常数時間で出たり消えたりを繰り返しますが、症状が強く、唇や口に出たときは要注意。
気道やのどの粘膜が腫れて呼吸困難を起こすこともあります。
『治療方法と注意』
応急処置は冷やしたタオルでかゆみを和らげます。
原因となっているアレルゲンがわかれば、それを避けるのが一番です。
ただし、素人判断でアレルゲンを決め付けてしまうのは危険。食品に原因があると勝手に判断して、いたずらに食事を制限してしまうと、成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
アレルゲンを特定するためプリックテストという検査を行うこともできるので、必ず受診し、医師と相談しながら治療にあたりましょう。
かゆみは冷やすと和らぐので、応急処置として冷たくしたタオルを患部に当ててください。
診察時には症状が治まっていることが多いのですが、症状が出ていれば抗スタミン薬の「レスタミンコーワ軟膏」やステロイド薬入り軟膏などのかゆみを鎮める薬が処方されます。
じんましんを繰り返し起こすときは、長期にわたって抗アレルギー薬を服用する場合もあります。

タグ

乳児湿疹(にゅうじしっしん)

『乳児湿疹とは?』
赤ちゃんの顔や体に出る赤い湿疹を総称して乳児湿疹と呼びます。
食べこぼしの汚れや汗などが原因で赤くカサカサになり、かゆみを伴うことがあるのが特徴。
なかでも代表的なのが乳児脂漏性湿疹。
乳児脂漏性湿疹は、だいたい生後2週間から1歳くらいまでの間に起こる湿疹で、多くの赤ちゃんが経験する皮膚の病気です。
季節に関係なく皮膚線の多い頬や口のまわり、あご、額、頭を中心に赤いポツポツがでたり、カサカサしたり、ときには少しジュクジュクすることもあります。
また、髪の毛の生え際や眉毛などに黄色いふけや脂っぽいかさぶたのようなものがつくことがあります。
このかさぶたが見られる状態になると乳児脂漏性湿疹と呼びます。
この湿り気を帯びてべたべたした皮膚のかたまりを放っておくと、いやなにおいがし始め、かさぶたの部分が赤くなり、かさぶたの下に赤い湿疹が出たりかゆみを伴うことも。
このかさぶたを放置しておくと厚くなって洗っても落ちにくくなるため、こまめにケアをしてあげる必要があります。
特に髪の毛の生え際は皮脂が多いうえ、不潔になりやすいために症状が出やすい部位ですが、おなじ症状がわきのしたやおへそのまわり、股の内側に見られることもまれにあります。こまめにチェックするようにしましょう。
大人も赤ちゃんも皮膚の毛根の辺りに皮脂腺があり、皮膚を外部からの刺激や細菌から守るためにここから皮脂という脂肪を分泌しています。
黄色いふけや脂っぽいかさぶたのようなものは、この皮膚の上に分泌された皮脂が固まったものなのです。
同じように大人も皮脂腺があるのに、赤ちゃんだけにこのような脂漏性湿疹が出てくるのには訳があります。
生まれたばかりの赤ちゃんは、ママのおなかの中にいたときもらったホルモンの影響により、皮膚の分泌が活発になるため皮膚のトラブルが起こりやすくなるのです。
とくに髪の毛の生え際やおでこは皮脂腺が良く発達しているため、症状が悪化しやすい傾向にあります。
非常にまれですが、そのほかの原因として、ビタミンB群の代謝異常や、皮膚に常在しているマラセチア菌というカビの一種が増えて起こることもあります。
乳児湿疹も乳児脂漏性湿疹も汗腺が出来上がる一ヶ月ごろから見られます。
ほとんどの場合1~2ヶ月ほどで自然に治ることが多いのですが、繰り返し症状が出たり、なかなか治癒しない場合もあります。
6ヶ月頃になれば症状もなくなり自然に治ることがほとんどです。
ただ、アトピー性皮膚炎に移行することもあるので、長引くような場合には市販の薬を使う前に病院で診察を受けましょう。
『治療方法と注意』
汗や汚れをこまめに拭き、1日1回は刺激のない石鹸で洗います。
頭や顔についている皮膚や汚れは、入浴時に石鹸を使ってきれいに洗えば落ちます。
石鹸を良く泡立てて洗ったあと、ていねいに洗い流しておくことが基本的な予防と治療です。
乳児湿疹の治療にはステロイド薬を含まない『アンダーム軟膏』などが処方され、乳児脂漏性湿疹の場合は、ステロイド薬入り軟膏や『亜鉛華軟膏』などが処方されることが多いようです。
乳児脂漏性湿疹は、汗をかいたり汚れがついたらこまめに吹き、清潔にしておくことが必要です。
食事の際にミルクや食べこぼし、よだれなどが皮膚についたらゴシゴシこすらず、皮膚を傷つけないようにガーゼでやさしく、汚れを押すように拭いてあげることです。
食事の前に口のまわりに『白色ワセリン』を薄く塗ると肌を保護する効果があります。食後はぬるま湯で絞ったガーゼでやさしく拭き、保湿薬を塗っておくと良いでしょう。
また、1日1回は入浴時に刺激のない石鹸を使ってきれいに洗います。
ふけのようなものは、ていねいに洗い流すだけできれいになります。かさぶた部分は、ベビーオイルやオリーブオイルをたっぷり浸したコットンをあててふやかします。
時間を置くとはがれやすくなるので、入浴前30分間は出来ればそのままにしておくといいでしょう。
かさぶたを十分にふやかしたら、シャンプーや石鹸できれいに洗います。泡が残らないように洗い流したら、よくふき取って処方された外用薬を塗りましょう。
入浴しても厚いかさぶたが頑固にこびりついている場合は、『白色ワセリン』や『亜鉛華軟膏』をリント布に厚めにのばしてかさぶた部分にはり、1日そのままにしておきましょう。
軟膏でかさぶたがやわらかくなり、浮き上がってくるので、ベビーオイルやオリーブオイルでやさしく拭けば無理なく剥がすことが出来ます。そのあとは、石鹸でよく洗いましょう。
ふやかして洗ってもなかなかかさぶたがある場合は、無理をせず、自然に取れるのを待ちましょう。
眉毛のかさぶたは、赤ちゃんがリント布を剥がしてしまうことがあるため、ベビーオイルやオリーブオイルで拭いた後、『白色ワセリン』や『亜鉛華軟膏』を塗っておくだけにしておきましょう。
赤ちゃんは新陳代謝が盛んなので、皮膚が汚れやすいものです。
体は良く洗えても大泉門(頭頂部)のあたりを怖がってよく洗わずにいたために症状が悪化する赤ちゃんが多く見られます。
大泉門のあたりも普通に洗って大丈夫です。
怖がらずにきれいに洗ってあげましょう。
入浴の際、かさぶた部分に多少力を入れて洗ってもかまいませんが、つめを立てたり、無理に剥がすのは禁物。皮膚を傷つけてしまう危険性があります。
また赤ちゃんが自分のつめで痒くなったかさぶたのまわりをひっかいてしまうことがあります。
つめは深爪にならない程度に、指の先端からやや内側になるくらいを目安にこまめにきっておきます。
症状がひどいと完治までに時間がかかりますが、毎日の入浴や外用剤などでていねいに根気よくケアすれば、5~6ヶ月で治ります。
初期の湿疹なら家庭でのケアでよくなりますが、かさぶたがこびりついてひどくなったり、かゆみがある、症状が良くわからない場合は、小児科や皮膚科を受診してください。

タグ

水いぼ

『水いぼとは?』
伝染性軟属腫ウイルスの感染により、直径1~3mmくらいの水を含んで真ん中がへこんだ白または透明ないぼが、主に胴やひじ、ひざの裏にできます。
6歳くらいまでの子にできやすく、痛みやかゆみは伴いません。
皮膚が乾燥していると出やすく、伝染性が非常に強いので、つぶすとほかの皮膚について、だんだんと数が増えていきます。
引っかいてしまうと、ほかの子にウイルスが飛んで伝染することがあるほか、プールや水遊びでも伝染することがありますので、注意する必要があります。
発症した初期の段階で、受診することをお勧めします。
免疫ができれば自然と治りますが、この免疫ができるには数ヶ月から1年くらいかかります。

タグ

このページの先頭へ