皮膚カンジダ症(ひふかんじだしょう)

『皮膚カンジダ症とは?』
カンジダ菌というカビの一種に感染して、皮膚に湿疹が出ます。
カンジダ菌とは、皮膚の表面や口の中、胃腸などに常に存在する菌で、健康な赤ちゃんは病気になりません。
なんらかの原因で体の皮膚の抵抗力が落ちたり、抗菌薬を飲むことによって体の中のいい菌が失われたりすると、カンジダ菌は増殖します。
おむつかぶれと間違えやすいですが、皮膚カンジダ症の場合、おむつがあたらない部分、くびれやしわの中にまで湿疹が広がります。
よく分からないときは、早めの受診を。
おむつかぶれと間違って、おむつかぶれ用の薬(ステロイド薬入り)を塗ると、病状は悪化するので勝手な判断は禁物です。
逆に、おむつかぶれに皮膚カンジダ症用の抗菌薬入りの軟膏を塗ると、これも悪化しますのでご注意を。
皮膚カンジダ症は、感染すると湿疹ができて薄皮が白くむけたり、小さい水疱や膿を持った膿疱が混じって赤くただれたりします。
前述の通り、勝手な自己判断で薬を塗らず、きちんと受診することをお勧めします。

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気管支炎(きかんしえん)

『気管支炎とは?』
その名の通り、気管支に炎症が起きる病気で、大きく次の3種類に分けられます。
急性気管支炎(きゅうせいきかんしえん)
ウイルスや細菌が気管支の粘膜について、炎症を引き起こす病気で、風邪症候群に続いて発症することが多く、高熱を伴いせきをします。
症状が重くなると、息をするのを苦しがり、せきをしたときに吐いたりすることも。
急性細気管支炎(きゅうせいさいきかんしえん)
気管支の一番奥にあたる、細気管支という部分に炎症が起こる病気。
多くの場合は風邪症候群に続いて発症し、ヒューヒュー、ゼーゼーと音がする気管支喘息(きかんしぜんそく)のような息づかいとなり、症状が悪化すると呼吸困難や唇が紫色になるチアノーゼ、肋骨と肋骨の間はへこむ陥没呼吸をするようなこともあります。
ぜんそく様気管支炎
 
境界線ははっきりした赤い、ときには白い皮膚の盛り上がりが突然現れます。
大きさもさまざまで、虫刺され程度のものから手のひらくらいのものまであり、盛り上がった部位がくっついて広がることもあります。
全身どこにでもでき、かゆみが強いのが特徴です。1歳前の乳児よりも、2~3歳児に良く見られます。
食べ物、薬、細菌・ウイルス感染、虫刺されなどによるアレルギーの一種と考えられますが、原因の特定は難しいとされています。
普段は問題がないのに、体調を崩しているときに特定のものを食べると発症することも。食後30~1時間で症状が出たときは、食事内容に原因があると考えられます。
ほかに、ストレスによるものや急激な温度差による寒冷じんましん、日光に当てるとできる日光じんましんなどもあります。
これらの症状は通常数時間で出たり消えたりを繰り返しますが、症状が強く、唇や口に出たときは要注意。
気道やのどの粘膜が腫れて呼吸困難を起こすこともあります。

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肺炎(はいえん)

『肺炎とは?』
細菌やウイルスなどの感染によって起こる病気で、風邪症候群や気管支炎、はしかなどをこじらせ、肺の中まで炎症が広がった状態です。
悪化すると呼吸困難を起こして入院することも。
赤ちゃんや幼児に多い肺炎として、細菌性肺炎、ウイルス性肺炎、マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎があります。
細菌性肺炎
肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、溶連菌などが原因で起こり、ここで挙げる肺炎の中では重症になりやすい肺炎です。
高熱が続いて、せきがひどく、症状が悪化すると呼吸困難になります。
あえぐような呼吸をしてぐったりしたり、呼びかけても反応がない場合などは、すぐに受診してください。
細菌性肺炎は、急激に症状が進むことが多く、呼吸困難やチアノーゼなどを引き起こす恐れもあります。
多くのケースは1~3週間程度の入院を要し、原因となった病原菌にあった、適切な抗菌薬の投与が必要。
呼吸困難で水分補給が十分でない場合は、点滴を使用します。
症状がよくなっても完全に細菌を退治するには、根気よく抗菌薬の投与を続ける必要があります。
ウイルス性肺炎
肺炎の中で、最も頻度が高いのがウイルス性肺炎です。インフルエンザウイルスやアデノウイルスが原因で起こります。
細菌性肺炎に比べると症状は軽く、熱もそれほど高くはならず、早く下がる傾向があります。
赤ちゃんが比較的元気で、水分補給も十分可能なら通院で治療することが可能です。
家庭では安静をしっかり守り、保温・保湿に注意して、十分な水分補給を心がけましょう。
食事は消化がよく、栄養価の高いものを与えましょう。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマという、細菌とウイルスの中間くらいの大きさの微生物が原因で起こる肺炎。
せきが激しく、38~39度くらいの熱が1週間ほど続きます。
熱が下がっても、せきはなかなか治まらないこともよくあります。
入院することもありますが、症状が軽い場合は通院でも治療で済むこともよくある肺炎。
家庭では、熱がある場合は安静と保温・保湿を心がけ、せきが楽になるよう、上体を高くして寝かせましょう。
十分な水分補給に心がけ、食事は消化がよく栄養価の高いものを与えましょう。
クラミジア肺炎
クラミジアという微生物が原因で起こる、赤ちゃん特有の肺炎がクラミジア肺炎。熱がそれほど高くならないものの、せきのためにおっぱいが飲めなくなったり、ひどい目やにが出ることもあります。
生後1ヶ月未満に発症しやすい肺炎。
入院することもありますが、症状が軽い場合は通院でも治療で済むこともよくある肺炎。
家庭では、熱がある場合は安静と保温・保湿を心がけ、せきが楽になるよう、上体を高くして寝かせましょう。
十分な水分補給に心がけ、食事は消化がよく栄養価の高いものを与えましょう。

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クループ

『クループとは?』
ウイルスや細菌に感染してのどの奥の口頭に炎症が起こり、空気の通り道をふさぐために起こります。
犬の遠吠えのような、ケーンケーンというような甲高い特有のせきが特徴的な症状です。
風邪症候群の症状から始まり、重症になると、陥没呼吸を起こしたり、呼吸困難からチアノーゼを起こすこともあります。
呼吸困難がひどい場合は入院が必要です。
症状の進み方が早く、急に悪化することもあるので、特有の甲高いせきが出たらすぐに受診してください。
外の冷たい空気に接すると、症状が治まることもあります。家庭では、加湿器などを使用して空気の乾燥を防ぎます。

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アトピー性皮膚炎(アトピーせいひふえん)

『アトピー性皮膚炎とは?』
慢性的に繰り返すかゆみの強い湿疹で年齢によってできやすい部位や症状が変化するのが特徴です。
アトピー素因を持った人に、環境因子が複雑に加わって発症する病気といわれますが、発症のメカニズムはまだよくわかっていません。
しかし、乾燥や摩擦による皮膚のバリア機能の低下が1つの原因になっています。両親やその家族にアレルギー体質の人がいると子供にも出やすいです。
『乳幼児のアトピー性皮膚炎の特徴』
①生後すぐ症状がでることはまれで、2~3ヶ月ごろから赤い湿疹が出始めます。
②おでこや目のまわり、頬、耳たぶの付け根など、顔を中心に赤く湿った湿疹が見られます。背中やおなか、手足、また、わきの下にもみられることがあります。
③症状が重くなると、ふけが出たり、ジュクジュクしたかさぶたがでてきます。
④湿疹が体のほぼ左右対称の位置に出ます。
⑤症状が2ヶ月以上続きます。
⑥1歳を過ぎると、湿疹部分が次第に黒っぽくなり、乾燥してカサカサになることが多いようです。皮膚が厚くなり触るとざらざらした感じになります。できやすい部位も首の周りやひじやひざの内側などに移っていきます。
⑦耳やぶのしたが切れる、耳の後ろがジュクジュクする耳切れの症状がでます。
アレルギーを起こす物質(アレルゲン)は、ハウスダスト、ダニ、動物の毛、皮膚表面にいるカビ(カンジダ菌など)などで、食べ物は、鶏卵、牛乳、小麦、魚などさまざまです。
また、皮膚の細菌(ブドウ球菌)が症状の増悪因子となっています。
赤ちゃんは強いかゆみのために、体や顔を布団などにこすりつけたり、手で引っかいたりします。
つめは短く切っておきましょう。

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気管支喘息(きかんしぜんそく)

『気管支喘息とは?』
アレルギーやウイルス、細菌の感染によって、発作的に気道が収縮し、空気の通りが悪くなる病気です。
気管支が狭くなるため、息をするとゼーゼーとかヒューヒューとか音がします。
軽症の場合は咳き込むだけですが、重くなると激しく咳き込んで呼吸が困難になり、場合によっては窒息死や心不全に至ることもあります。
ハウスダストや動物の毛、たばこの煙を吸い込んだことなどによって、誘発されます。
喘息による発作は、春先や初秋など季節の変わり目で、気温の差が激しい夜や明け方にかけて多く起こる傾向があります。
咳き込むだけの軽い症状から、病状が進行すると肩を上下させて苦しそうに息をし、さらに進行すると寝ていられずに座って呼吸するようになります。
『治療方法と注意』
気管支拡張薬の内服や吸入、場合によっては点滴による治療を実施します。
アレルギーを引き起こす物質、アレルゲンを日常の生活から排除することが大切です。
発作が起きたら、服を緩めて上体を起こし、コップ1杯の水を飲ませます。
発作が治まらない場合は、夜間でも受診しましょう。

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アレルギー性鼻炎(アレルギーせいびえん)

『アレルギー性鼻炎とは?』
くしゃみが止まらなくなったり、水のような鼻水が出て、鼻が詰まる、こんな症状が続くのがアレルギー性鼻炎です。
一年中、症状が見られる場合が多いのですが、季節の変わり目などの気温の差が大きい時期に、症状が悪化することがあります。
動物の毛やハウスダスト、ダニ、花粉、カビなどが原因となり、鼻が詰まっているため口で息を吸い、熟睡の妨げとなります。

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食物アレルギー(しょくもつアレルギー)

『食物アレルギーとは?』
じんましんが出たり、嘔吐や下痢、場合によっては鼻炎や結膜炎、ゼーゼーと音をさせて呼吸したりするなどの症状がでます。
食物に含まれるタンパク質などがアレルゲンとなり、食後まもなく症状が現れるのがほとんどですが、かなり時間がたってから症状がでることもあります。
赤ちゃんによって個人差がありますが、比較的アレルギー反応を起こしやすい食品として、卵、牛乳、魚などの動物性食品のほか、小麦やそばなどの食物性食品が挙げられます。
これらは、比較的アレルギー反応を起こしやすいのであって、実際にはほとんどの食品にアレルギー反応を起こす可能性があります。
専門家でもアレルゲンを特定することは難しいため、赤ちゃんが食べたものや使用した調味料などを日記などでメモを残しておくと、受診した際のアレルゲン特定に参考となります。
成長とともに症状が軽くなることが多い病気で、厳しい食事制限による栄養障害を避けるためにも、独自に判断せず、病院での検査結果や医師の指導に基づいて、献立を決めることが大切です。

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小児ストロフルス(しょうにストロフルス)

『小児ストロフルスとは?』
虫刺されに対する免疫が不十分な赤ちゃんが、蚊やノミなどの虫に刺されて、体の中の抗体が過敏に反応して発疹やかゆみといった症状が現れる病気です。
蚊などの虫が多くなる春から夏にかけて発症しやすく、かゆみを伴い、赤いブツブツした丘疹が腕や脚に出て、場合によっては丘疹に水疱が混じっていることもあります。
かゆみが激しく、引っかくために出血してかさぶたになったり、とびひのようになったりします。
虫刺されが懸念される、公園などへ出かけるときは虫除けスプレーを使用したり、腕や脚を露出させないような服装をさせることが、この病気の予防策となります。
もし刺されたら、石鹸でよく洗い、ブツブツの部分は清潔にすることが大事です。

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ミルクプロテインアレルギー

『ミルクプロテインアレルギーとは?』
腸の機能が未熟な新生児~乳児に起きやすい食物アレルギーの一種で、鶏卵アレルギーと並んで発症頻度が高く、水溶性の下痢や嘔吐、じんましん、腹痛、血便、湿疹などの症状が現れます。
名前のとおり、粉ミルクや牛乳が原因となり、摂取してからだいたい9時間以内に症状が現れます。
下痢が2週間以上も続き、脱水症状を起こす場合や、体重の減少を伴う場合、さらに症状が悪化すると呼吸困難や血圧低下などを引き起こし、命に関わる危険もあります。
『治療方法と注意』
体重減少を伴う重症の場合は、点滴をおこなうこともあります。
症状が現れたら、アレルゲンとなる粉ミルクや乳製品の摂取は避け、アレルギー用の粉ミルクを飲ませるのが対策といえますが、医師に相談の上、使用することをお勧めします。

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