妊娠中に薬を飲んでいいの?

妊娠中に飲んだ薬は胎盤を通して赤ちゃんに移行することもあり、自己診断で市販の薬を使わず、医師に相談して処方してもらった薬を使いましょう。
また、処方された薬でも一度に大量に飲んだり、別の薬と一緒に飲んだりすることは避けましょう。
しかし、薬をこわがって飲むのを避けたためにかえってお母さんの病気を悪くしてしまっては赤ちゃんにも悪影響を起こしますので、病気で医師から飲むように指示された場合にはきちんと服用しましょう。
薬による胎児への影響は、薬の種類、量、妊娠週数が関係します。
妊娠4週~12週ごろは、器官形成期といって赤ちゃんの大事なからだの部分がつくられる時期ですので注意が必要です。
市販の薬の場合、薬の名前、成分、効能などを書いた箱や説明書を持って、主治医や産婦人科医に相談してください。

タグ

妊娠中のたばことお酒は?

たばこには一酸化炭素やニコチンなど4,000種以上の化学物質、200種以上の発がん性物質が含まれています。
一酸化炭素やニコチンは、おなかの赤ちゃんへの栄養・酸素不足を招き、低出生体重児や早産の原因となります。
喫煙により早産は1.5倍、周産期死亡(妊娠28週~生後1週までの死亡)は1.2~1.4倍、低出生体重児は2倍に頻度が高まるとされています。
また、出産後の喫煙は乳児突然死症候群の危険率を上げるという報告もあります。
受動喫煙でも胎児へのニコチン移行が確認されており、夫や家族の協力も非常に大切です。
妊娠中の飲酒によりアルコールは胎盤を通じておなかの赤ちゃんに移行します。
アルコールは、胎児の脳や頭・顔の形、心臓、骨など全身に影響を及ぼしますので、妊娠初期の過度の飲酒、慢性的な飲酒は控えてください。
母乳にもアルコールは移行しますので、授乳中の大量の飲酒は赤ちゃんにアルコール中毒を起こしたり、発育、発達に影響を及ぼしますので、授乳中も大量、慢性的な飲酒は控えた方がいいでしょう。

タグ

妊娠中にコーヒー紅茶はだめ?

コーヒーや紅茶、お茶で問題となるのは、カフェインです。
カフェインは血管を収縮させたり拡張させたりする働きがあり、妊娠中に大量に摂取すると、赤ちゃんの発育を抑え、お母さんの動悸(どうき)や不眠の原因となります。
1日に2~3杯程度のコーヒー、紅茶、お茶は問題となりませんが、がぶがぶ飲むことは控えましょう。
お茶には緑茶、番茶、ほうじ茶、中国茶などの種類がありますが、カフェインが特に多いのは抹茶で、玉露や煎茶(せんちゃ)も割に多いようです。
カフェインが少ないのは玄米茶です。
また、お茶にはタンニンといわれる成分が含まれており、これは鉄分の吸収を抑えますので、貧血の薬を飲むときや食事のときは水や麦茶を飲むほうがいいでしょう。

タグ

妊娠中の風疹(ふうしん)の抗体検査

妊婦が風疹(ふうしん)に感染すると、胎児に先天性風疹症候群を起こします。
先天性風疹症候群の主症状は、白内障、緑内障、心疾患、聴覚障害、小頭症、精神遅滞などですが、感染した時期で症状の種類や程度が違いますし、全く症状がないこともあります。
母親の風疹抗体検査は、先天異常をスクリーニングすること、母体の感染予防を目的として行っています。
一般的にはHIという方法で抗体量を測定し、256以上の場合、さらに詳しい検査を加えます。
逆に低い場合は、妊娠中は子どもの多い場所を避ける、出産後はワクチン接種を薦めるなど感染予防の指導をします。
施設によって、検査の方法や判定基準に違いがあるので、検査内容や結果については、主治医に相談しましょう。

タグ

妊娠中に出血があった場合

妊娠中の出血の原因はさまざまで、子宮粘膜のびらんやポリープからの出血、胎盤からの出血、臨月であれば出産の前兆のこともあります。
色は真っ赤なものもあれば、赤ワイン色や茶褐色のものもあります。
少量だからといって安心できるものでなく、子宮内では多量に出血している場合もあります。
実際どこから出血しているか、胎児は大丈夫かなどは、内診やエコーをしないとわかりませんので、自己診断せず必ず医師に相談してください。
もし、痛みやおなかの「はり」を伴っているようなら、至急受診してください。

タグ

妊娠中に便秘がちになる

妊娠中に3日以上お通じがなかったり、毎日あっても便が硬く排便が困難であったり、便が残っているような感じがあれば便秘といえます。
妊娠すると、ホルモンや大きくなった子宮の圧迫、骨盤内充血による痔(じ)などのために便秘になりやすくなります。
食物繊維の豊富な食品や牛乳・ヨーグルトを多くとる、早朝又は朝食後にコップ1杯の冷水・牛乳などを飲む、毎日決まった時間にトイレに行く、など生活習慣から心がけましょう。
妊娠経過が順調であれば、妊婦体操、マタニティヨガ、散歩、軽い水泳などは、便秘にも気分転換にも良いでしょう。
便秘薬は勝手に服用せず、かかりつけの病院で処方してもらってください。
便を柔らかくする酸化マグネシウムや大腸を刺激する下剤などが処方されます。
もし、薬局で買われるときは、必ず妊娠していることを薬剤師さんに言ってください。
浣腸(かんちょう)は刺激が強いですので避けてください。

タグ

妊娠中におなかがはる

妊娠中は、おなかがはったり、痛みを感じることがあります。
安静にしてもおさまらないとき、一日に何度もはるとき、痛みを伴うようなときは注意が必要です。
妊娠初期は胎盤が安定せず切迫流産になりやすいので、無理はせず安静にして、医師の診察を受けてください。
「はり」のほかに痛みや出血がある場合は、切迫流産や子宮外妊娠の危険がありますので、すぐに医師に診てもらいましょう。
妊娠中期、末期はおなかがはりやすくなってきます。
横になってしばらく安静にすることで、おさまることが多いですが、安静にしていてもおさまらないとき、出血を伴うようなときは、切迫早産の危険がありますのですぐに医師に診てもらってください。
「はり」を予防するために、重い物を持たない、下半身を冷やさない、階段の昇降はゆっくりする、十分休息をとる、などに注意してみましょう。

タグ

妊娠中、出産後のSEX

妊娠中のSEXは、挿入による刺激や、精液による子宮収縮、細菌感染症などにより、流早産の原因となることがあります。
胎盤が不安定な妊娠初期と妊娠末期は避けたほうが良いでしょう。
出血があるとき、おなかが頻繁にはるときも避けましょう。
挿入を浅めにする、子宮収縮や感染を予防するためコンドームを使用するなど、工夫してください。
出産後の性生活の再開には、お産の状態が関係してきます。
分娩(ぶんべん)時の出血が多かったり、会陰切開の傷が痛いとき、夜泣きで睡眠不足のときなどは、とてもそのような気にならないこともあるでしょう。
一人ひとり条件が異なっていますので、一律な決まりはありません。
条件をあげるとすれば、産後の1か月健診で主治医から許可が出ていること、本人も夫も不安なく性生活を再開したいという気持ちを持ったとき、今後の家族計画を話し合ったとき、などが考えられます。

タグ

妊娠中の旅行

妊娠初期は流産する可能性が高いので、なるべく旅行は避けたほうが良いでしょう。
避けられない場合は、必ず受診して許可をもらってください。
中期は流早産の危険性が低く、旅行に最も適している時期です。
妊娠後期は早産の可能性が高まりますので避けたほうが良いでしょう。
海外旅行は、保険や予防接種、精神的な緊張、食物・水などについての注意が必要です。
事前に十分調べておく必要があります。
飛行機は、搭乗条件がありますので事前に確認してください。
また、妊婦は血栓ができやすいので、長時間の飛行はエコノミークラス症候群の危険があり特に注意が必要です。
水分をよくとること、通路側に席をとり歩行すること、座っている状態でもつま先立ちなどを繰り返し運動することなどが良いでしょう。
自動車の場合も血栓症を予防するため長時間座っていることは避けてください。
2時間おきに休憩し、10分以上歩行することが良いでしょう。
交通事故での母体、胎児の障害は通常よりも危険性が高く、妊婦といえどもシートベルトの着用が勧められます。
汽車、船なども同様に長時間座ることは避けたほうが良いでしょう。
妊婦は転倒しやすいので、汽車、船内での歩行には注意してください。
温泉旅行は、体内の温度が上昇しすぎることがあるので、高温のお湯に長時間つかることは避けてください。
硫黄泉の場合、湯舟で気を失うことがあるので強い硫黄泉は避けたほうが良いでしょう。
気分が悪くなることが多いので、一人で入浴することも避けてください。
旅行には母子手帳、保険証を持参することも大切です。

タグ

妊娠中にパーマやカラーリングをしてもいいの?

パーマやカラーリングに使う薬剤は、おなかの赤ちゃんに直接的な影響はないと考えられています。
ただ、妊娠中はホルモンバランスが変化し、皮膚が刺激に対して敏感になっていますので、薬剤によってかぶれる心配があります。
また、美容院に行く時期は、妊娠初期はつわりがあったり、まだ胎盤が不安定なので、長時間同じ姿勢を続けるのは避けたほうが良く、妊娠中期ごろが適していると思われます。
妊娠後期になりますと、おなかが大きくなり、洗髪時にあおむけになることがつらくなりますので避けたほうが良いでしょう。
いずれにしても、美容師さんに妊娠していることをお話しして、薬剤、時間や姿勢などに注意してもらうと良いと思います。

タグ

このページの先頭へ