早産を防ぎましょう

『早産とは?』
妊娠22週(第6ヶ月半ば)から妊娠36週(第10ヶ月の最初の週)までのあいだに、赤ちゃんが生まれてしまうことを早産と言います。

この時期、赤ちゃんはまだ子宮外で十分に生活できるほど育っていません。

いわゆる未熟児と呼ばれる赤ちゃんは、早産が原因であることがほとんどです。

新生児集中治療室を備えた病院がふえ、地域での搬送システムが充実してきたことから、こうした赤ちゃんが元気に育つことも多くなりました。

しかし中にはどうしても生きられなかったり、目や脳などに障害を残してしまう赤ちゃんもいます。

こうしたことを防ぐためにも早産を予防することが大切です。


『早産の原因と予防』
早産とは、赤ちゃんが母体内の居心地が悪くて早く外に出てきてしまうこと、とも言えます。

原因としては、妊娠中の病気(とくに妊娠高血圧症候群)や、転んだりおなかを強く打ったりという事故があげられます。

また、過労や寝不足、精神的ショック、イライラなども、子宮への血液の循環を悪くして、早産につながることがあります。

妊娠中は常に心身の安全をはかり、子宮内の環境をベストに保つように心がけましょう。


また、最近では、妊娠34週以前の早産は母胎の膣内にいる常在菌が感染して起こることもわかってきました。

これらの常在菌はふだんはからだに影響をおよぼしませんが、疲れていたりすると、思わぬ病気を引き起こすこともあるのです。

定期健診で膣内の常在菌をチェックする病院も増えてきているので、検査を受けてみるのも、早産防止につながります。

なお、多胎妊娠や、持病のある人の妊娠も早産につながりやすいので、医師の指示きちんと守りましょう。

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妊娠中は葉酸を摂取するようにしましょう

『葉酸とは?』
葉酸は、ラテン語で「葉」を意味する「フォリウム」から名づけられ、最初に発見されたのは、ほうれん草の葉からと言われています。
葉酸は、植物に多く含まれるビタミンB群の一種で、貧血気味の方や胎児の正常な発育のために特に重要な栄養素です。
『どうして必要になるのか』
受精から妊娠12週頃までに、赤ちゃんの重要な器官が完成されると言われています。
この時期には特に葉酸が必要とされており、厚生労働省は2002年4月以降、母子手帳に葉酸の必要性を記載しています。
『妊娠中から授乳中も摂った方がいいの?』
葉酸は妊娠期で通常の倍、授乳期で1.4倍必要です。
また、鉄は妊娠期・授乳期ともに1.6倍必要となります。
妊娠前から妊娠・授乳期を通して、毎日摂ることが大切です。
『葉酸が多く含まれる食べ物』
葉酸は、葉物野菜や緑黄色野菜、動物のレバー(牛、豚、鶏)などに多く含まれています。
ほうれん草(生1束・200g)・・・約420μg
ブロッコリー(生1房・20g)・・・約42μg
鶏レバー(生1切れ・40g)・・・約520μg
いちご(6粒・30g)・・・約27μg
『食事から摂取できないの?』
葉酸は水に溶けやすく、熱に弱い、吸収しづらいという最大の弱点をもっています。
例えば、ほうれん草を調理する場合、水洗いやゆでるなどの調理でおよそ半分の葉酸が失われ、さらに体内に摂取された葉酸のうち35%はそのまま排出されてしまいます。
つまり、私たちの体内に吸収される葉酸は、素材の状態のおよそ3分の1程度なのです。
そんな弱点を補ってくれるのがサプリメントです。
野菜だけでは足りないなぁ~という日は、サプリメントを上手に利用しましょう。
『貧血が気になる』
葉酸と一緒に鉄分やビタミンB群を摂りましょう。
鉄は葉酸と並んで赤血球を作るのに必要な栄養素です。
またビタミンB群は、葉酸の働きを助けます。

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妊娠線の予防と対策

『妊娠線とは』
「妊娠線」とは、急激にお腹が大きくなると皮膚のが伸びるのについていけず、縦にみみず割れのような線がいくつも出てくるのを言います。
痩せている人が急激に太ったりすると、そのような線ができますが、それと非常によく似ています。
妊娠線には、個人差があり、出来やすい人・出来にくい人がいるようです。妊婦さんの8割~9割の人に、この妊娠線が出来るといわれています。
『なぜ妊娠線は出来るのか?』
皮膚は本来、表皮・真皮・皮下組織の3層からできています。
妊娠中は、お腹のあかちゃんの成長に伴い、お腹が大きくなると、どんどん表皮は伸びていきます。
ですが、真皮・皮下組織には弾力性に欠けているので、亀裂が生じます。
これが一般的に言われている「妊娠線」です。
早い人ではつわりが終わる4ヶ月頃から、遅い人でも7ヶ月頃には出てきます。
『妊娠線の出来やすい時期』
これには個人差がありますが、一般的に、妊娠7ヶ月目~(24週を過ぎたあたりから)妊娠線が出てくると言われています。
『妊娠線とかゆみ』
妊娠線とかゆみについては、妊婦の方・出産された方、全ての方に共通した悩みの1つとも言えます。
医学用語では「妊娠性掻痒」といいます。
妊娠によりホルモンや皮膚が変化したりして、肝臓に負担がかかることから起こるといわれています。
かゆみの予防としては、毎日シャワーを浴び身体を清潔にして、下着についてもお肌に優しい生地を選んで下さい。
かゆみが強かったり、止まらない場合は、かかりつけの医師へ相談し、かゆみ止めなどを処方してもらうことになります。
『妊娠線の予防』
妊娠線の一番は乾燥によるもの。ホルモンのバランスが崩れていて、肌もカサカサ。
適量のマッサージクリームを手取り、気になる部分に伸ばして、やさしくマッサージしてください。
1、お腹の下あたりから、手の平全体を使って優しく円を描くようにマッサージします。
2、ひざ裏から太もも・お尻にかけて、同じく円を描くようにマッサージします。
※朝夕2回、特にお風呂上りにマッサージをすると効果的です。
また、体重管理にも気をつけて下さい。
安定期に入ると、1ヶ月で3~5キロ太ってしまう妊婦さんがいますが、これは×です!
急激に太ってしまうと、妊娠線も出来やすく、妊娠中毒症といった深刻な症状が出てしまう場合もありますので、体重が増えないよう注意が必要です。
※体重の増加は8~10kgまでです!

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妊娠中のインフルエンザの予防接種

国立感染症研究所感染症情報センター(平成15年11月1日)によると、
インフルエンザワクチンは病原性をなくした不活化ワクチンであり、胎児に影響を与えるとは考えられていないため妊婦は接種不適当者には含まれていません。
しかし、妊婦又は妊娠している可能性の高い女性に対するインフルエンザワクチンの接種に関する、国内での調査成績がまだ十分に集積されていないので、現段階ではワクチン接種によって得られる利益が、不明の危険性を上回るという認識が得られた場合にワクチンを接種する、ということが適切ではないかと考えます。
妊娠初期はいろいろな理由で流産する可能性の高い時期なので、一般的に予防接種は避けた方がよいと考えられます。
米国の報告では、もしワクチンを受けるならば、妊娠のごく初期(妊娠13週前後まで)を除き、インフルエンザシーズンの前に行うのが望ましい、とされています。
現在のところ、妊婦にワクチンを行った場合に生ずる特別な副反応の報告は無く、また、妊娠初期にインフルエンザワクチンを接種しても胎児に異常の出る確率が高くなったというデータも無いことから、予防接種直後に妊娠が判明しても人工妊娠中絶をする必要はないと考えられております。
アメリカでは?
インフルエンザ感染による母体死亡や重症化の危険性から、インフルエンザの流行時期前に、14週以降の妊婦にはインフルエンザの予防接種をするべきであると勧告しています。
また、心疾患や糖尿病などの合併症妊娠では、週数の如何にかかわらず予防接種をすべきとも勧告しています。
以上のことから妊婦さんは?
現在日本で使用されているタイプのインフルエンザワクチンは妊娠中に使用しても安全であると考えられているので14週以降なら、インフルエンザをうけましょう。
できればワクチン接種後2週間ほどで効果が出現し、4~5ヶ月間免疫能が持続するといわれていますのでインフルエンザシーズン(12~2月)の前までに接種するほうがいいです。
もし、初期にその時期に重なった場合はかかりつけの先生に相談しましょう。
胎児に影響はないといわれていますが、もし自分のお子さんが先天異常・流産などを伴った場合、あのときのインフルエンザワクチンが・・などと自分を責めてしまう場合があります。(普通の方でも先天異常は妊婦さんの2%くらい・流産は10%ぐらいあります)
そういうことをすべて踏まえて、最終的にはご自分の判断に任されると思います。
また、インフルエンザシーズンにこれから妊娠を希望される場合は、予防接種してからお考えになったほうが、安心ですね。

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妊娠中の歯の健康

妊娠すると、お母さんの口の中は虫歯や歯ぐきの病気にかかりやすくなります。
昔から「一子を産んで、一歯を失う」ということわざがあるくらいです。
妊娠中に歯が悪くなる理由としては
・間食の回数が増える
・つわりなどで体を動かすことがめんどうになり、歯磨きなどを怠りがちになるため、口の中の細菌数が増加しやすくなる。(非妊娠時に比べて、2倍以上に細菌数が増えるとも言われています。)
・ホルモンのバランスが変化し、粘膜や歯ぐきに炎症が起こりやすくなる。
・歯科治療を受ける機会が少なくなりやすい。
などがあげられます。
歯の健康対策について
・食生活上の注意
「母体の歯からカルシウムが抜けて、胎児にとられるから・・・」という話を聞きますが、そのようなことはありません。
3度の食事でバランスよく必要量を食べるようにし、できる限り間食をしないように心がけましょう。
・歯磨きの徹底
「みがいている」のと「みがけている」のとはちがいます。
バイ菌の固まりである歯垢(プラーク)を徹底的に除去するために、手鏡などを利用して、歯ブラシの毛先が歯の面に当たっているかどうか、確認することが大切です。
・妊娠中の歯のチェックと歯科治療
母子健康手帳にお母さんの口の中を点検する項目があるので、歯の検診を受けて、むし歯があれば、歯科医院で治療を受けて下さい。
本来は妊娠前に治療をすませておくべきですが、妊娠中でも治療が受けられるので、放置せずに治療しましょう。
治療を受けるときには、歯科医師に妊娠中であることを伝え、妊娠中期にすませるようにしましょう。

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妊婦とアルコール

慢性的な過剰のアルコールの摂取は身体的、精神的健康に悪影響を及ぼすのは明白です。
妊婦の飲酒により、アルコールは胎盤を容易に通過するために、胎児は母体のアルコールにそのままさらされます。
さらに胎児にはアルコールの処理能力がないために、胎児に悪影響を及ぼします。時には胎児の知的障害などの異常を伴う胎児アルコール症候群あるいは胎児アルコール影響障害などをきたします。
このような異常はアルコールの飲用を控えれば、完全に回避出来るために、妊娠中はアルコールを断つことが原則です。
『アルコールの分解と胎児』
成人においては、体内に摂取されたアルコールは肝臓でアセトアルデヒドに酸化され、さらには酢酸に分解され、最終的には二酸化炭素と水に分解されます。
妊婦がアルコールを摂取すると妊婦自身はこのようなアルコール分解作用を有していますが、胎児には肝臓が未熟なために、アルコール分解作用はありません。
従って、胎児はアルコールにさらされるのみで、危険を回避する手段は全くありません。まさしく胎児にとってアルコールは催奇形因子として作用します。
『胎児アルコール症候群(fetal alcohol syndrome;FAS)』
慢性アルコール依存症の妊婦から中枢神経系の異常などを伴う障害児が生まれることがあり、胎児アルコール症候群(fetal alcohol syndrome;FAS)と呼ばれています。
以下にその診断基準を示します。FASと診断されるためには以下の全てが満たされなければなりません。
*胎児アルコール症候群(fetal alcohol syndrome;FAS)の診断基準*
1 出生前あるいは出生後の発育障害
2 中枢神経系の異常:神経学的な異常、精神発達遅滞、知的な障害
3 次の三つのうち少なくても二つを満たす特異的な顔貌
  ・小頭症
  ・小眼球症あるいは短い眼裂
  ・未発達な人中、うすい上口唇および上顎低形成
胎児アルコール症候群の異常パターンは次の通りです。
小頭症、特異的な顔貌(眼裂短小、内角贅皮、上顎低形成、短鼻、薄い上唇)、手掌の皺の異常、関節の異常、先天性心疾患などです。
『胎児アルコール影響障害(fetal alcohol effect;FAE) 』
上記のような3項目が満たされずに胎児アルコール症候群と診断されなくても、その一部が満たされている場合を胎児アルコール影響障害(fetal alcohol effect;FAE)と言います。
妊婦のアルコール摂取は胎児に悪影響を及ぼしていると考えられています。
母親のアルコールの乱用が精神発達遅滞の原因の最たるものであると考えられています。
飲酒とともに栄養不足を伴う場合には行動および学習障害をもつ子供を生じる時もあります。
『アルコールの摂取量の安全域』
アルコールは催奇形因子ですが、ごく少量ならば問題はありません。
大量飲酒であればあるほど危険であることは確かですが、どの程度から危険であるかははっきりしてはいません。
アルコール量の安全許容限界の設定はなされていません。
少量ならば問題ないことが多いですが、安全許容限界が不明なために、少量であっても控えるのが原則と考えるべきです。
『アルコール摂取妊娠時期と胎児アルコール症候群 』
器官形成期である妊娠初期に慢性的にアルコールを摂取すると先天的な形態異常の原因になります。
また妊娠中期以降に慢性的にアルコールを摂取すると胎児の成長障害を起こしやすくなります。
従って、妊娠のどの時期であっても胎児アルコール症候群を起こし得ることになります。
従って、妊娠の全ての時期にわたって、アルコールを控えるべきということになります。

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妊婦とカフェイン

カフェインは、コーヒー、紅茶、ココア、コーラなどの飲料に含まれたり、頭痛薬、風邪薬などに含まれたり、日常生活でポピュラーな薬剤です。
適度なコーヒー、紅茶などの摂取はストレスを和らげ、妊娠にとって有害どころかむしろ有効です。
しかし、カフェインは催奇形因子と特定されているわけではありませんが、中枢興奮薬であるために、母親の過剰なカフェイン摂取は胎児にとって安全であるという保証はありません。
『カフェインとは?』
カフェインはキサンチンのメチル誘導体であり、以下の構造式です。
大脳皮質や延髄を興奮させ中枢機能や循環機能の亢進を起こします。カフェインはコーヒー、茶(紅茶、日本茶など)、ココア、コーラなど嗜好品として最も用いられる中枢興奮薬です。
また、頭痛薬や風邪薬に配合され、医薬品としても用いられます。
『カフェインの薬理作用』
1、中枢神経系
大脳皮質および延髄中枢の興奮を起こします。常用量で覚醒、不穏、精神緊張を生じ、知覚および運動機能が高められます。
眠気や疲労を除去するとともに運動機能を高めます。
2、骨格筋
疲労感の減退、活動性増大が起こるほか、骨格筋に直接作用して筋肉の収縮を増強する。
3、心筋・平滑筋
心筋に直接作用し、心筋興奮作用、すなわち収縮増加、拍出量増加をきたします。
平滑筋に関しては末梢血管拡張や気管支筋弛緩作用がみられます。
4、利尿作用
腎臓の血管をを拡張することによって、血流量が増加し、尿の生成が増加します。
5、胃酸分泌亢進
胃酸分泌を促進し、胃潰瘍の発生を促すことがあります。
『カフェインの副作用』
カフェインを過剰に投与されると、副作用として、不眠、不穏、精神興奮、感覚障害、骨格筋緊張、振戦、頻脈、呼吸促進がみられます。
極端に大量投与されると痙攣で死亡します。
コーヒー、紅茶などを極端に過剰に摂取するとカフェインの副作用が認められますが、死亡することは一般的ではありません。
カフェインに強い依存性はありませんが、軽度の習慣性が認められます。カフェイン中毒と呼ばれている症状は上記の副作用を意味しています。
『胎児とカフェイン』
カフェインの構造式は上記に示していますが、分子量が小さいために容易に胎盤を通過し、胎児に移行します。
そのために母親と胎児の血液中のカフェインの濃度は同じになります。
その結果、母親が過剰にカフェインを摂取すると胎児も過剰にカフェインを摂取することになります。
ところが、胎児のカフェインを排泄する能力は母親と比較して未熟であるために、カフェインを排泄することが出来ずに胎児の体内に蓄積されることになります。
従って、毎日連続して大量のコーヒー、紅茶を飲み続けると胎児の体内にカフェインが蓄積される可能性があります。
胎児に過剰のカフェインが蓄積されると、生まれてきた赤ちゃんに上記の副作用が認められることがあります。
具体的にはいらいらや落ち着きがないといった症状がでることがあります。
『カフェインの安全許容限界』
コーヒー、紅茶などの過剰摂取による胎児のカフェインの過剰摂取は決して好ましいことではありません。
そのためにはコーヒー、紅茶などの摂取量の明確な基準(安全許容限界)があれば好都合ですが、そのような基準は設定されていません。
このような基準が設定されていないのはアルコールなどの場合も同様です。
しかし、安全許容限界が設定されていないと言っても、常識範囲内のコーヒー、紅茶は全く問題ありません。
常識範囲内とは食後のコーヒーなどを意味し、1日に数杯ならば全く問題ありません。飲み過ぎに注意さえすれば良い問題です。
『コーヒー、紅茶の利点』
コーヒー、紅茶などの嗜好品は、その香りだけでも、心を和らげ、ほっとさせる作用があります。
このようなストレスを和らげる作用があるために、妊娠したからといっても、コーヒー、紅茶などをやめる必要はありません。
妊娠経過が良好であっても、妊娠自体がストレスの原因になります。ゆったりとした妊娠生活のためにコーヒー、紅茶を楽しんで下さい。

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妊婦とコンピューター

コンピュータを長時間にわたって操作する仕事に従事すると、妊娠経過に悪影響を及ぼし、異常妊娠をきたすと考えられた時代もありましたが、現在では否定されています。
すなわち流産、低出生体重児、先天奇形などの点から考慮して、コンピュータ操作とこれらの異常は有意な関連はないと結論づけられています。
VDT症候群の予防のために適度な休息をとり、長時間に及ばなければコンピュータ操作は妊娠に悪影響は及ぼしません。
『VDT(visual display terminal)』
コンピュータの普及に伴って、オフィスなどでコンピュータの端末の前で作業をすることが多くなり、VDT(visual display terminal)と呼ばれ、その作業はVDT作業と呼ばれています。
このようなことは単に職場だけではなく、インターネットの普及により家庭内にも及んでいます。
『妊娠とVDT』
1980年代のアメリカにおいて、妊娠初期にVTD作業を行った女性に異常妊娠が多く出たとの報告があり、その原因として電磁波による磁場の影響と結論づけた報告もありました。
すなわち、コンピュータの本体やディスプレイが妊娠に悪影響を及ぼし、流産したり、奇形児が生まれると考えられる時代もありました。
そのため、大きな社会不安となり、再調査が行われ、現在ではこのような考えは否定されています。
すなわち、VDT操作は妊娠に悪影響を及ぼさないと結論づけられています。
流産、低出生体重児、先天奇形などの危険性は無いと考えられています。安心してVTD作業を行うことが出来ます。
すなわち妊娠したからといって、自主的にせよ、強制的にせよVTD作業をやめる必要はまったくありません。
『VDT作業自体の問題点~VDT症候群 ~』
長時間のコンピュータ操作(VDT作業)によって、視覚障害、肩こり、筋肉痛、頭痛、不眠、などの不定愁訴や自律神経失調症様の訴えが起こり、VDT症候群などと呼ばれています。
また、眼症状に関しては、VDT作業がドライアイの原因と考えられています。
VDT作業はディスプレイを集中的に見なければならず、瞬目数(まばたき数)が減少することがドライアイの原因と考えられています。
このような問題を起こさないようにするには、適度な休息が大切です。自覚症状がなくても長時間のVDT作業を避け、ましてや自覚症状が出たならば速やかに休息をとることが大切です。
『妊娠とVDT症候群 』
VDT症候群は、妊娠しているかどうかは関係ありません。
妊娠しているからといって特にVDT症候群になりやすいということはありません。
もちろん、長時間のVDT作業は避けるべきで、適度の休息が大切なのは当然です。

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