妊娠中の喫煙
たばこは、胎児の酸素・栄養不足をおこし、早産た低出生体重児(2500g未満)の出生や乳児突然死症候群(SIDS)の発祥につながりやすいので、元気な赤ちゃんを産み育てるためにも喫煙はやめましょう。
また、まわりで吸う人の喫煙も同様の影響を受けますので、夫や周囲の人たちにも協力してもらいましょう。
おなかの中の赤ちゃんへの喫煙の影響
妊娠中に喫煙している母親から生まれた赤ちゃんは、喫煙しない母親から生まれた赤ちゃんに比較して、出生時体重が平均で約200-250グラム軽いです。
また、母親のおなかの中にいた期間(在胎週数)が同じ赤ちゃんの間での比較でも、妊娠中に喫煙している母親から生まれた赤ちゃんは、出生時体重が軽い傾向があります。
死産や新生児死亡(生後28日以内の死亡)、乳幼児突然死症候群(SIDS:sudden infant death syndrome)が、喫煙する母親の赤ちゃんに多い傾向があります。
米国で2001-2002年に出生した赤ちゃんにおいて、妊娠中の母親の喫煙と児の先天性指異常(多指症、少指症、無指症、合指症)の発生との関係を調査した研究があります。
6,839,854人の出生児の記録を調べ、5171人の先天性指異常(手や足の指の多指症、少指症、無指症、合指症)が見られた児と先天性指異常が見られなかった赤ちゃん10342人を対照として比較したものです。
妊娠中に喫煙している母親から生まれた赤ちゃんは、喫煙しない母親から生まれた赤ちゃんに比較して、先天性指異常(手や足の指の多指症、少指症、無指症、合指症)が見られる確率が1.33倍と高かったです。
一日に吸う本数が多いほど確率は高くなる傾向があります。
母親が妊娠中に喫煙していない場合と比較して、母親が妊娠中に一日当たり吸う本数が、1-10本で1.29倍、11-20本で1.38倍、21本以上で1.78倍と高くなります。
妊娠への喫煙の影響
喫煙しない女性に比べ、喫煙する女性は、不妊を経験しやすく、妊娠も遅く成りがちです。
また、妊娠後も、胎盤早期剥離、前置胎盤、早産等を起こしやすいです。
母乳による授乳への喫煙の影響
母乳による授乳に関しては、喫煙する母親では、母乳による授乳を行う者が少なく、母乳による授乳を行っても短期間であり、母乳の分泌も少ない傾向があります。
月経への喫煙の影響
喫煙しない女性に比べ、喫煙する女性は、月経困難症となりやすいようです。
喫煙しない女性に比べ、喫煙する女性は、平均的に約1-2年、閉経を早く迎えます。
経口避妊薬服用者への喫煙の影響
喫煙する経口避妊薬服用者は、喫煙せず経口避妊薬も服用しない者に比べて、狭心症・心筋梗塞等の心臓の冠状動脈疾患になりやすいです。
経口避妊薬を服用しようと考える女性は、喫煙しない方が良いでしょう。
喫煙による悪影響の予防のためには
タバコを吸うのは止めましょう。
今さらタバコを吸うのをやめても意味がないということはありません。
喫煙する母親が妊娠の最初の3か月までに喫煙を止めた場合に生まれる赤ちゃんは、喫煙しない母親に生まれる赤ちゃんと出生時体重は同等レベルになることが知られています。
また、母親の周囲の人たちも、タバコを吸うのは止めましょう。
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2005年1月14日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:妊娠生活の心得