少子化で産科サービス合戦

日本産婦人科医会は一昨年、所属の医療施設1017か所を対象にアンケートを行い、659施設が回答した。
少子化が進む中、私立病院の産科では7割近くが出産記念品を出し、半数が特別料理を用意するなど医療施設のサービス競争が激化している実態がの調査で明らかになった。
出産前のサービスとしては、92%が超音波写真を提供。胎児の性別告知も、希望
があれば86.7%が実施。このほか、超音波撮影のビデオテープ提供(36.7%)、エアロビクス指導(24.8%)、水泳指導(9.3%)も行っていた。
出産後は、「お祝い膳(ぜん)」など和食や洋食の特別料理を出しているところが251施設あり、中でも私立病院では50.5%が実施していた。
記念品は、私立の68.6%で提供し、国公立(29.2%)との差が際立つ。
中身は赤ちゃんの写真やアルバムが多い。
妊婦は国公立などの大病院に集まる傾向が強く、最近の分娩(ぶんべん)数を尋ねたところ、私立では45・5%の施設で減少、診療所では60・4%で減少していた。
一方で、国公立を除けば、高価なみやげや特別料理などに反対する施設で分娩数の減少傾向があり、サービス合戦の激化がうかがわれる。
同会医療対策委員長は「医療こそが本質的なサービスだが、食事や記念品などの希望が多いのも事実。
調査を基に、妊婦に求められる産院像を明らかにしたい」と話している。

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